34歳カソルラ、37歳ホアキン...リーガ終盤、ベテランたちが熱い!

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 世界最高の選手が集うスペインのリーガエスパニョーラで、今シーズンは「O-30」(30歳以上)のベテランたちが熱い。「老いてはますます壮なるべし」の格言にあるように、老いてなお意気盛んであるということか。

 ヘスス・ナバス(セビージャ)は33歳にして再び脚光を浴び、スペイン代表に再招集されている。31歳のイアゴ・アスパス(セルタ)は、今季ここまでリーグ戦16ゴールと、サーラ賞(スペイン人得点王)を争っており、左足FKなどにより「セルタのメッシ」と"崇拝"される。

 さらにハイメ・マタ(ヘタフェ)は、30歳で1部リーグにデビューし、得点を量産すると、今年3月には華々しく代表デビューも飾った。これまでマタは、地域リーグ、4部リーグ、3部リーグ、2部リーグでこつこつとゴールを積み上げてきた。

「爺さん呼ばわりされているのは知ってるよ。でも、悪くは受け取らない。それだけの経験と見識を持っているという証だから」

 かつて1部時代のデポルティボ・ラ・コルーニャで40歳までプレーしたブラジル人"アブエロ"(おじいさん)ドナトは、淡々と語っていた。ドナトはリーガエスパニョーラ最年長得点記録も更新。年齢のボーダーを超えた鉄人は、どこか達観したところがあった。

 年齢を重ねるたび、輝きを放つ。現代のリーガが誇るまた別の2人の熟練者、それぞれのケースを見てみよう。

ベティスで抜群の人気を誇るホアキン・サンチェスベティスで抜群の人気を誇るホアキン・サンチェス「どこで終わりを迎えるか? そんなの考えていないよ。今は日々、サッカーボールを蹴られることを楽しんでいる。こういう日々がずっと続けばいいね」

 今シーズン、プレミアリーグのアーセナルから故郷のクラブ、ビジャレアルに戻ってきた34歳のMFサンティ・カソルラは、その心境を語っている。

 カソルラはいま、ピッチに立つ喜びを誰よりも噛みしめている。約1年半、実戦経験から遠ざかっていた。それは十字架を背負うような苦しみだったはずだ。

 2015年12月に左膝靱帯断裂。約半年の戦線離脱を余儀なくされた後、どうにか復帰するが、2016年12月から右足首の原因不明の痛みに悩まされる。8度に及ぶ手術でも、一向に改善しなかった。そして2017年5月、足首内にバクテリアが侵入し、アキレス腱を8cmも食べていたことが発覚。手術が成功した後も、足を引きずるように歩くので精一杯だったが、懸命のリハビリでピッチに戻ってきた。

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