遠藤航が選んだ便利屋とは違う道。
「早く海外でボランチをしたかった」 (4ページ目)
第一印象は重要だ。初めにインパクトを残せると、少しミスをしたとしても調子が悪いだけだろうとポジティブに思われるが、第一印象が悪いとすべてがネガティブに評価され悪循環に陥っていく。
そもそも海外志向だったのだろうか。
「18歳くらいからずっと、海外へ行きたいと思っていました」
プロになってからはそこまで見られなくなったものの、中・高の少年時代はプレミアリーグなどをよく見ていた。
「もともとブンデスリーガやプレミアリーグが好きでした。最終的には行きたいですけれど、いきなりプレミアというのはなかなか難しいと思ってました。僕がプロに入ってからブンデスに日本人選手が多く行き始めて、自然とそこを目指すようになっていったんです」
ベルギーリーグに行こうと思ったことは一度もなかったので、シント・トロイデンのことはまったく知らなかったという。
「海外志向が強かったため、海外からオファーが来そうだと思った時点で、『行きます』という姿勢だったから、あまり悩まなかったです。そう言ったら浦和に対して失礼に聞こえちゃうかもしれないですけど、浦和にリスペクトがあるうえで、自分の中では海外でやりたいという強い信念があったので、迷いはほぼなかったんです」
2018年のロシアワールドカップではメンバーには選ばれたものの、出場機会は訪れなかった。この悔しさが海外に移籍する引き金になったのだろうか。
「それはワールドカップだけじゃなくて、ずっと感じていたところでした。たまたまワールドカップがあって、もちろん(試合に)出られない悔しさもありましたけど、やはり海外でバリバリやっていないとワールドカップのピッチに立つのは難しいというのは理解していました。
もっと早くに海外へ行って、しっかりボランチとしての経験を積んだ状態で、ロシアで試合に出ているというのがイメージしていた一番の理想像でしたが、そこは現実もしっかり見ながら、これからまた経験を積み上げていければと思います」
(後編につづく)
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