2019.04.13

EL3連覇を成し遂げた策士エメリは、
アーセナルも頂点に導けるか

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ウナイ・エメリ監督の狙いがハマった一戦だった。

 4月11日に行なわれたヨーロッパリーグ準々決勝・第1戦のナポリ戦で、アーセナルは2-0の勝利を収めた。

 キックオフから攻勢で、25分までに2点を奪取。後半からカルロ・アンチェロッティ監督率いるナポリも持ち直したが、アーセナルはアウェーゴールを許すことなく第1戦を制した。理想を言えば、後半に4回あった決定機を1回でも決めて3-0にしておきたかったが、ひとまず2点のリードを持って第1戦を折り返すことに成功した。

ナポリ戦で先制ゴールを決めたアーロン・ラムジー(中央) アーセナルは、今季から指揮を執るエメリ監督の下で改革が進んでいる。そのエメリ監督がセビージャ在籍時代に成し遂げたのが、「ヨーロッパリーグ3連覇」だった。

 ジネディーヌ・ジダン監督がレアル・マドリードで達成したチャンピオンズリーグ3連覇には敵わないが、2013-2014シーズンから3季連続でヨーロッパリーグの頂点に立った実績は、終盤のアーセン・ベンゲル時代に漂っていた閉塞感を払拭する原動力になる。当のエメリ監督もアーセナルでのヨーロッパリーグ制覇を重要視しており、タイトルを獲得して新たな活力にしたい意向だ。

 エメリ采配の特長は、試合ごとにフォーメーションや人選、戦術を細かく変えてくることだろう。4-2-3-1や4-3-1-2、3-5-2、3-4-2-1など複数のフォーメーションを使い分け、相手の陣形や出方、自軍の狙いに合わせて臨機応変に編成する。今回の試合では「第1戦で結果を掴むことが重要だった」と指揮官は語り、前傾姿勢の強い3-4-1-2で挑んだ。

 キックオフから試合の主導権を握ったのは、アーセナルだった。イングランド特有のテンポの速いパス回しと積極的なプレスを繰り出し、ハイペースの展開に持ち込んだ。前線からプレスをかけて敵のビルドアップを分断し、ボールを素早く回収。そして、小刻みにパスを回した。アグレッシブなプレーを繰り返すことで、ナポリの動きを制圧した。