バルサ相手にホームで「0-1」。マンチェスター・Uは善戦or完敗? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかし、試合後のスールシャール監督によれば、「立ち上がりは雑なプレーがあり、ナーバスになっていたところもあった。プレスも十分かけられていなかったが、先制点を許して落ち着きを取り戻した」と言う。先制されたマンチェスター・Uは気持ちを切り替え、前方からプレスをかけて徐々に盛り返していった。

 とくに、布陣上の噛み合わせが効いていた。3バックは、それぞれバルセロナの3トップにつき、ポール・ポグバとフレッジ、スコット・マクトミネイのセントラルMF3人も、バルセロナの3MFをハメる形で編成。守備時は3バックから5バックに変形してスペースを消した。

 そしてボールを奪うと、素早く縦につけてカウンターを狙った。速攻が難しいと見れば、フリーでボールを受けやすいウィングバックに展開し、このサイドを起点に攻撃を構成した。

 象徴的だったのは、前半40分の決定機。ディオゴ・ダロットがフリーで打ったヘディングシュートは、サイドを起点に展開し、マーカス・ラッシュフォードのクロスボールから呼び込んだものだった。シュートは枠を捉えきれなかったが、こうしたカウンターとサイドアタックが、試合前にスペインでバルセロナを偵察してきたスールシャール監督の狙いとするところだったのだろう。

 しかし一方で、マンチェスター・Uの枠内シュートは「0本」に終わった。チャンピオンズリーグの舞台でマンチェスター・Uの枠内シュートが1本もなかったのは、2005年3月のミラン戦(0-1)以来、14年ぶりのことだ。

 前述のバラゲ氏も、冒頭のコメントでマンチェスター・Uの守備を褒めた後、「しかし、それがすべてだった」と付け加えた。バルセロナの威力を最小限に抑えることには成功したが、相手ゴールを揺らすところまでいかなかったと、言いたかったのだろう。

 しかも、第2戦の舞台は難攻不落のカンプ・ノウ。ゴールを奪わないことには準々決勝の突破はなく、マンチェスター・Uには厳しい展開になったのは間違いない。

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