15年前のCL覇者とリバプールが対戦。3賢人が緻密に予想した (4ページ目)

小澤 ポルトは、ムサ・マレガとソアレスの2トップになってよくなった印象を受けます。それと、個人的にはエデル・ミリトンを右サイドバックで使うのはどうかとは思っていますけど、今シーズンは右サイドバックが年齢的な衰えも見えるマキシ・ペレイラがファーストチョイスだったので仕方ない部分はあります。冬にペペが復帰したことでコンセイソン監督はミリトンを右サイドバックにコンバートしました。逆に、このチームの売りは、左サイドバックのアレックス・テレスですね。セットプレーのキッカーを務めていることも含めて、彼がキーマンになっていますし、その他ではキャプテンのエクトル・エレーラも欠かせない選手です。

中山 心配なのは、そのエレーラが第1戦は累積警告によって出場停止という点ですね。ポルトにとって、彼の不在をどのようにカバーするのかが第1戦の最大のテーマになりそうです。

 4-4-2を基本布陣とするポルトは、エレーラとダニーロ・ペレイラのダブルボランチが回転するようにして縦横無尽に動き回って、常にそれぞれがベストなポジショニングを選択できている印象があったので、ポルトにとってエレーラ不在は痛恨でしょうね。

小澤 エレーラの代わりとなると、なかなか難しいですね。オリベル・トーレスでは少し軽すぎると思いますし、監督からの信頼も守備面では厚くはないですからね。セルジオ・コンセイソン監督も悩ましいでしょうね。

中山 個人的にセルジオ・コンセイソンの指揮に注目しているので、そこはある意味で楽しみにしています。彼は2016-17シーズンに崩壊状態のナントの監督に途中就任して、あっという間に立て直したことがありましたが、その頃から気になっていました。結局、ナントの契約延長のオファーを断ってポルトに栄転したわけですけど、現役時代にセリエAで活躍していただけあって、ポルトガルのモダンな要素にイタリア的な戦術をミックスして自分のスタイルを築いている印象を受けます。

 そういう意味では、セルジオ・コンセイソンの4-4-2が、リバプールの4-3-3に対してどこまで対応できるのかという部分は注目だと思います。リバプールの3トップは、攻撃時も守備時も4バックの間のスペースをうまく使うので、4-4-2のチームにとっては相当にやっかいです。とくに近年は、戦術的な進化によって4バック受難の時代とも言えますしね。

 そういう時代のなか、論理的には最も前後左右のバランスが取れているはずの4-4-2でリバプールを苦しめることができたとしたら、セルジオ・コンセイソンという監督も大きくクローズアップされるでしょうし、再び4バック主流の時代に変化するきっかけになるかもしれないのではないかと、勝敗とは別の視点で期待して見たいと思います。

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