15年前のCL覇者とリバプールが対戦。3賢人が緻密に予想した (2ページ目)

中山 正直、ファン・ダイクがサウサンプトンからリバプールに移籍したときは100億円超えの移籍金は高すぎると思っていました。でも今になってみると、その金額も安く感じてしまいます。間違いなく、彼は現在世界トップレベルのセンターバックですね。

それと、第2戦を振り返ってみると、バイエルンが第1戦の時のような挑戦者の意識が低くなったことが、結果的にマイナスに作用したように感じます。もちろんこの試合でも守備意識は高かったと思いますが、ホームということもあってか、明らかに第1戦よりも前掛かりなところがあって、それによって守備に隙が生まれていました。

倉敷 バイエルンの敗退については、第2戦で出場停止になったヨシュア・キミッヒの不在が大きく影響したと感じました。彼がいないことで、サイドでも中盤でも技術的なレベルが下がり、あまつさえ代役として出場したラフィーニャのミスから失点しています。攻撃のためのインナーラップも物足りないレベルでした。

中山 たしかにリバプールの先制ゴールは、ファン・ダイクのロングフィードに対してラフィーニャが裏を取られたことで、マネのゴールを許しています。GKマヌエル・ノイアーの飛び出しもミスと言えばミスなのかもしれませんが、ノイアーのプレースタイルからすると、あの場面は前に出る選択肢しかなかったと思いますし、やはりラフィーニャの対応がいちばんの問題だったと思います。

倉敷 キミッヒに加えミュラーも不在だったことで、バイエルンにはピッチ上でキャプテンシーを発揮するタイプの選手がいませんでした。試合後にロベルト・レヴァンドフスキが「我々はチャンスを作る努力をしてなかった」と監督批判ともとれるコメントを残しましたが、真のキャプテンがピッチ上にいなかったことの方が重大な問題だった気がします。

さらに、バイエルンは次のラウンドを戦うためのエネルギーや戦力に不足していた気もします。第1戦でリバプールの攻撃力を封じ込めるためにたくさんのエネルギーを費やしたことで、消耗から回復しきれていない選手たちのパフォーマンスは落ち、第二戦ではレヴァンドフスキに届けるパスの本数さえ足りていませんでした。ホームで圧倒するバイエルン、という例年のイメージはなかったですね。

 小澤さんは第2戦をどのように見ていましたか?

小澤 中山さんのご指摘どおり、バイエルンは第1戦をうまく乗り切ったことでホームでの第2戦は少し気持ちが前掛かり、攻撃的になっていました。もちろん、CLでもバイエルンは毎年優勝を狙う実力を持つクラブですので当然のことではありますが、リバプールのカウンターをうまく処理できるだけの守備戦術は持っていません。少なくとも前半はマネやサラーにスペースを与えないような試合運びをしたかったところでしたが、リバプールにうまくロングパスを使われてカウンターの形を作られてしまいました。

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