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低レベルで安定してしまったバルサ。
これではCLは勝ち切れない (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 表記上ではバルサらしくなったように見えるが、デンベレを左ウイングとするなら、対称の関係に当たる右ウイングは不在。そのスタイルは左に傾いた3トップという、非対称な形になった。

 攻撃の幅は従来同様、狭かった。メッシとスアレスが中央に固まる、右ウイング不在のサッカーを展開した。奪われる場所も真ん中に偏るので、逆モーションになりやすく、リヨンに再三、反撃を浴びていた。

 かつてとは一線を画す、高い位置に網が張られていない、攻撃的とは言えないサッカーだ。さらに言えば、メッセージ性も低下している。世界のサッカー界において、バルサはもう希少な存在ではなくなってしまった。

 多少誇張すれば、2人(メッシ、スアレス)にお任せのサッカーだ。バルサの主要選手になって10数年が経過するメッシと、加入して5シーズン目に入ったスアレス。30歳を越えてもなお、両者に衰えは見られないが、向上もしていない。現状維持。2人より下で構える選手たちのレベルも上がっているとはいえないので、バルサのチーム力は横ばいの状態にある。

 だが、サッカーにおいて、横ばいは後退を意味する。サッカーは、競技力が永遠に右肩上がりを示す特性があるからだ。

 実際、リヨン対バルサと同じ時刻に行なわれていたリバプール対バイエルンは、サッカー競技のマックス値を越えるのではないかと言いたくなるほど、ハイレベルの試合だった。スコアはリヨン対バルサ同様、0-0だったが、2つの試合には、レベルにおいて雲泥の差があった。

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