リバプールのCLギリギリ勝ち上がりは、2005年の「奇跡」再現への吉兆 (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 エースが復調を遂げ、守備の大黒柱もますます頼もしい。今季のチャンピオンズリーグで、クロップのリバプールは昨季の決勝で味わった失意を晴らすことができるだろうか。プレミアリーグでついに首位に立ったチームは、国内外で3つの栄冠を狙っている(リーグカップではすでに敗退)が、収入面を考慮しても、やはりチャンピオンズリーグこそ、もっとも手にしたいタイトルだろう(1990年以来のリーグ優勝も同等と言えるかもしれないが)。

 その意味で、この勝ち上がり方は良い兆候と捉えることもできる。2004-05シーズンのチャンピオンズリーグを制した時もグループステージで苦労し、最終節にオリンピアコスを下して、勝ち点で並んでなんとか勝ち抜けたのだ。ちょうど今季と同じように。

 その先にあの"イスタンブールの奇跡"が起こり、クラブ史上5度目の欧州王者に輝いている。あの決勝ではPK戦でGKイェルジ・デュデクが英雄になった。そして、現在のチームには6500万ポンドで獲得したアリソンがいる。

「アリソンがこれほど良い(GK)と知っていれば、私はその倍を払っていたよ」とクロップ監督は語った。

 今のリバプールには、欧州の頂点に立つための条件が揃っているように見える。

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