2018.12.12

リバプールのCLギリギリ勝ち上がりは、2005年の「奇跡」再現への吉兆

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 後半ロスタイムにナポリのアルカディウシュ・ミリクがボックス内で見事にクロスをトラップした瞬間、リバプールに残酷な結末が訪れるかと思われた。しかしGKアリソン・ベッカーがすぐさま両手両足を広げてシュートを弾き、その2分後に試合は1-0で終了。リバプールがグループ最終節でチャンピオンズリーグ決勝トーナメントへの切符を掴むと、アンフィールドには歓喜が爆発した。

 この大一番を迎える前、グループCではナポリが1位でリバプールが3位(パリ・サンジェルマンが2位、ツルベナ・ズベズダ[レッドスター・ベオグラード]が4位)。相手に勝ち点3差をつけられていたリバプールが勝ち抜けるには、1-0の勝利か、2点差以上の白星が必要だった。

決勝ゴールを決めたサラーを抱きかかえるリバプールのクロップ監督 つまり、ミリクがゴールを決めていれば、残り時間を考えてもナポリの突破が決まっていたはずだ。リバプールのファンにとって、アリソンは讃えても讃えきれないだろう。ただ、赤いサポーターたちの熱い想いそのものが、あのスーパーセーブにつながったのではないかとも思う。

「アリ(アリソンの愛称)がどうしてあんなセーブができたのか、私にはわからない。本当に信じられないよ」と試合後にリバプールのユルゲン・クロップ監督は話した。「それから、アンフィールドにも感謝したい。今夜の雰囲気は、とてつもないものだった」

 敵将のカルロ・アンチェロッティも「世界一の雰囲気」と認めるリバプールの本拠地。重要なものが懸かった一戦を前に、情熱的なスカウザー(リバプールの人々の呼称)たちは、これ以上ないほどの大声援でチームを迎えた。