2018.11.13

堂安律が「0.01秒」の世界を会得。
代表でもゾーンに入ったプレーに期待

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 フローニンゲンが2-0で勝利した「オランダ北部ダービー」から一夜明け、月曜早朝の新聞には「堂安のダービー」(全国紙『デ・テレフラーフ』)、「ロッベンを想起させるゴール」(地方紙『ダッハブラット・ファン・ヘット・ノールデン』)といった見出しが並んだ。

「オランダ北部ダービー」でスーパーゴールを決めた堂安律 11月11日に行なわれたエールディビジ第12節「フローニンゲンvsヘーレンフェーン」は、堂安律のためのダービーマッチとなった。

 ハイライトは38分に訪れる。左サイドからの低いクロスをセンターFWのミムン・マヒは中央でさばき、右サイドの堂安にパスを出した。ヘーレンフェーンは堂安のカットインを警戒して、中の守備を固める。しかし、堂安はわずかにゴールから遠ざかってシュートスペースを作り、腰のひねりを効かせながら強烈なミドルシュートを打った。

 スピード、コースは完璧。少しばかりカーブを描いたシュートは、GKワーナー・ハーンの伸ばした手を越し、ゴールネットに突き刺さった。

 堂安はフローニンゲンのベンチに向かって疾走して、コーチングスタッフ、控えの選手たちと抱き合ってスーパーゴールを喜ぶ。場内のオーロラビジョンには堂安のゴールシーンが2度リプレーで映され、2万人を超す観客はそのたびに「ほーっ」と声を出して唸った。

「あのコースは毎回、練習しています。練習後にチームメイトが手伝ってくれるんです。サブのキーパーやキーパーコーチに感謝したいゴール。試合が終わってから、全員に『ありがとう』と言いました」

 居残りでシュート練習をする堂安と、彼を助けるチームメイトやコーチ。そんな日々を共有しているからこそ、ゴール後に堂安とチームメイトたちがベンチ前でひとつになったのかもしれない。

 最初にビッグチャンスを作ったのは、ヘーレンフェーンのほうだった。だが、フローニンゲンの繰り出すジャブに、ヘーレンフェーンは徐々に受け身になってしまった。そのジャブのひとつがサミール・メミセビッチから堂安に出続けた、ビルドアップのフィードだった。