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堂安律が「0.01秒」の世界を会得。
代表でもゾーンに入ったプレーに期待 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 もしかしたら、堂安は小さな壁を越したのかもしれない。今季は開幕戦でゴールを決める幸先のいいスタートを切りながら、リーグ戦で9試合もゴールから遠ざかっていた(その間、日本代表ではすばらしいプレーを披露してゴールを決めていたのだが)。

 今季のフローニンゲンは、なかなかチームが固まらず、最下位に沈んでいた。堂安も前線で孤立し、フラストレーションを抱えながらのプレーしていた。しかし、10月27日のPSV戦で1-2と敗れはしたものの、好パフォーマンスを披露してからは負のスパイラルが止まり、続くエクセルシオール戦、ヘーレンフェーン戦と連勝して最下位を脱出。堂安もスーパーゴールを決め続けた。

 ヘーレンフェーン戦後、堂安はしみじみと語る。

「ボールを失う気があまりしないです。最近すごくキレが出てきていて、身体の使い方も試合ごとにうまくなっているなと。正直、(夏の移籍市場でCSKAモスクワ移籍が破談となり)フローニンゲンでプレーすると決まった時、成長できるのか不安もありました。でも今、自分自身が成長できているなと感じています。

 それは、見ている人もホンマにわかると思う。チームのせいではなく、自分自身の問題なんだなと。あらためて、サッカーにおいて気づかされました。これからもし、チームが変わったとしても、それは大事なことだなと、ホンマにここ2、3週間で感じさせられました」

 ヘーレンフェーン戦が終わった堂安はすぐに飛行場へ向かい、日本代表に合流しなければいけない。スーパーゴールの余韻を楽しみながら、堂安は機内で過ごすのだろうか。

「はい。Wi-Fiがつながるので、飛行機のなかで映像をずっと見ています」

「0.01秒の世界」を会得した堂安律――。そのゾーンに入った感覚を、日本代表の11月シリーズでも発揮してほしい。

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