必見のグアルディオラの戦術。CL制覇を狙うマン・シティ最大の特徴は?

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.41

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富なサッカー通の達人3人が語り合います。

 今回のテーマは、激戦の続くチャンピオンズリーグ(CL)。ペップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティは、昨シーズンリーグを制覇し、今季はCLでの優勝を狙う。主力のケガによる離脱はあるものの、ここまでリーグで順調なシティは、CLでも頂点に立てるのか。連載一覧はこちら>>

昨季プレミア王者となったマンチェスター・シティを率いるグアルディオラ監督昨季プレミア王者となったマンチェスター・シティを率いるグアルディオラ監督

――次に、今回クローズアップする4チームの中で、唯一チャンピオンズリーグ優勝の経験がないマンチェスター・シティの話に移りたいと思います。まずは、ペップ・グアルディオラ監督率いるチームの特徴からお願いします。

小澤 最大の特徴は、攻撃時のボールの保持にあると思います。システムはいくつか使い分けていますが、ベースは4-3-3。今シーズンは開幕直後にケヴィン・デ・ブライネが故障して戦線を離脱していますが、ダビド・シルバも含めたインテリオール(インサイドハーフ)にボールをつけながら、中盤をしっかり経由して前進します。

 サイドからクロスも入れますが、中央はガブリエウ・ジェズスとセルヒオ・アグエロなので、クロスよりもコンビネーションで突破していくというところがフィニッシュ局面での特徴です。その分、攻守の切り替えのところではボールの即時回収を試みて、ハイライン、ハイプレスを実践しています。もちろんプレミアリーグのクラブなのでカウンターの精度も高いですし、高い位置でボールを奪ったらショートカウンターで1トップを狙うというところも、基本的なプレーモデルに盛り込まれています。

 ただ、残念ながらチャンピオンズリーグ初戦のリヨン戦は、ペップのベンチ入り禁止処分が影響したのか、その特徴が生かされる場面があまり見られませんでした。スタンドで家族と観戦するペップの様子が頻繁にテレビ用カメラに抜かれていましたが、サッカーファンの間では「ペップの娘さん、かわいいね」という話題の方が試合の話題よりも上回っていたようです(笑)。

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