ムバッペはペレ、マラドーナ級?対戦相手とのユニ交換は争奪戦激化 (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 最前列にアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)とムバッペを並べ、ナビル・フェキル(リヨン)を10番のポジションに置いたフランス代表の攻撃陣を想像してみてほしい。ワールドカップで優勝したチームより強力かもしれない。

 9月9日のUEFAネーションズリーグのオランダ戦に、フランスは2-1で勝利を収めたが、このときのムバッペはすさまじかった。21人のトップクラスのアスリートに囲まれても、彼はピッチの中の誰よりも体ができていた。

 マークについた相手選手たちはムバッペに近づけず、彼のスピードを恐れていた。だからムバッペは、いつも周囲の半径数メートルに自由なスペースをつくることができた。

 ムバッペが普通に受けられるボールは、どれも危険だった。しかも彼は、DFの5メートル後ろから走ってもルーズボールを自分のものにできた。常に走り続け、ボールを受けるとさらに加速するムバッペは、今年フランス代表での8つ目のゴールを決めた。

 試合の後、元フランス代表FWのクリストフ・デュガリーはこう語った。

「今後10年、彼のプレーを見ることができる人はとても幸運だと思う。マラドーナやペレを見た人たちのように」

 ほめすぎのように聞こえるかもしれないが、想像してみてほしい。もうひとつステージを上げたときのムバッペを。

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