先発奪還の香川真司。ドルトムント「世代交代路線」との戦いは続く (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 そのゲッツェに代わって出場した香川は、やや身体の重かったゲッツェに比べて動きもよく、残る28分間、躍動した。直接得点に絡んだわけではないが、トップ下としてのパフォーマンスの比較でゲッツェを上回り、チームは後半40分、クリスティアン・プリシッチのゴールで勝利を収めている。

 こうして香川は、ホッフェンハイム戦の先発の座をたぐり寄せた。いわば2段階でステップアップを果たしたというわけだ。

 そのホッフェンハイム戦。ドルトムントは序盤から相手のカウンター攻撃に苦しんだが、56分の香川のシュートが最初の突破口となっている。こうやって久々に出場した試合でそれなりのパフォーマンスを発揮できるようになったのは、出場チャンスが少なくても腐ることなく準備を続けてきたことの証だろう。動揺することなくそういう準備ができるほどのキャリアを重ねたのだと、あらためて思わせられる。

 もっとも、ファブレ監督はまだ試行錯誤をしている段階で、クラブ側もそれをまだ容認している。公式サイトによれば、ホッフェンハイム戦を前にミヒャエル・ツォルクSD(スポーツ・ディレクター)は今季のチーム状況についてこう話している。

「新しいチームで新しいシーズンに臨むということで、少し時間と忍耐が必要なことは当初から明らかだった」

「監督と中心選手が新しくなったのだから、正しい方向性とバランスを見つけだすまでに時間がかかって当然だ。これまでの進展には満足している」

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