先発奪還の香川真司。ドルトムント「世代交代路線」との戦いは続く

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 香川真司が先発の座を奪い返した。ブンデスリーガ第3節まではベンチにすら入らなかったのが、チャンピオンズリーグ(CL)ブルージュ戦でベンチ入りすると途中出場。続く第4節ホッフェンハイム戦では先発し、70分までプレーした。

ホッフェンハイム戦で今季リーグ戦初先発を果たした香川真司(ドルトムント)ホッフェンハイム戦で今季リーグ戦初先発を果たした香川真司(ドルトムント) 香川が退いた時点では0-1でリードを許してしており、チームはその後どうにか同点に追いつき試合を終えた。出場していた時間帯で勝ち切ったわけではなく、今後も継続的に先発出場できるとは言い切れないが、少なくとも状況さえ整えばチャンスがあるということはわかった。ルシアン・ファブレ監督が「全員が戦力」と言ったのも、あながちメンバー外選手のモチベーションを下げないためだけではないようだ。

 香川がブルージュ戦でベンチに入ったのは、同じポジションのトーマス・ディレイニが膝の負傷のためにベンチを外れたからだった。この試合では、それまでベンチだったマリオ・ゲッツェが先発。香川はベンチ外からベンチへと、ひとつずつ繰り上がった格好だ。

 また、ブルージュ戦ではシステムも変更された。それまでの4-3-3から4-2-3-1となり、トップ下を置くことで、ゲッツェや香川がプレーしやすい形になった。ボランチに負傷から復帰したユリアン・ヴァイグルとアクセル・ヴィツェルを配すことで守備のケアも万全だった。

 ただ、ドルトムントはボールを支配しながら(ドルトムント62%、ブルージュ38%)、シュート数はほぼ互角(ドルトムント13本、ブルージュ11本)。ゲッツェはミドルシュートを放つ場面もあったが、攻撃にアクセントをもたらすトップ下の動きとしては物足りず、62分の交代となった。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る