マンC戦で初の出番なし。それでも武藤嘉紀は「逆境をはね返す」と誓う (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「自分たちが引いているのもあるけど、プレスに行くのか行かないのか(わからない)。ああなると、自分としては本当にやりづらい。行くところと行かないところで難しさがある。行き過ぎでも言われるし、そうかと言ってプレスに行かないと、得点の気配は生まれない。5バックとか引いた戦いになると、やっぱり難しいですね」

 ニューカッスルは、8月26日にプレミアリーグ第3節チェルシー戦(1-2)、29日にリーグカップ2回戦ノッティンガム・フォレスト戦(1-3)、そして9月1日にプレミアリーグ第4節マンチェスター・C戦(1-2)と、この1週間で公式戦3連敗を喫した。

 リーグ戦に限定しても、開幕4試合で1分3敗の未勝利。苦しいスタートになったが、トットナム・ホットスパー、チェルシー、マンチェスター・Cと強豪クラブとの対戦が続き、厳しい日程であったことは確かだ。ただ、武藤によれば、チーム内の雰囲気は決してよくないという。

 武藤自身の状況も芳(かんば)しくない。ノッティンガム・フォレスト戦で2トップの一角として初先発したものの、シュート1本で77分に交代を命じられた。敗戦後、ベニテス監督は「武藤はチームのためにハードワークをしていたが、イングランドサッカーは他の国に比べてプレースピードが速い。そのスピードに適応する必要がある」とコメント。武藤の序列は、やや低下したように思われた。

 ただし、ノッティンガム・フォレスト戦は、肝心のチーム自体が機能していなかった。武藤が前線からプレスをかけようとも、中盤以下の選手がついてこない。また、パスもうまく回らず、どのように攻めるのかという明確な意図が見えてこなかった。ユース所属選手も入れた即席チームであったため、連係もままならなかった。

 さらに、ベニテス監督はチェルシー、マンチェスター・Cとの連戦で守備的な戦術を用いたが、その間に行なわれたイングランド2部リーグ所属のノッティンガム・フォレスト戦で「攻撃的に振る舞えたか?」と問えば、決してそうではなかった。

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