マルディーニ、レオ...ミラン幹部にレジェンドたちが呼び戻された思惑 (3ページ目)

  • マルコ・パソット●文 text by Marco Pasotto 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 マッシモ・アンブロジーニ、マウロ・タソッティ、クリスティアン・パヌッチらのかつての同僚たちも喜びのコメントを寄せている。

 サポーターももちろん同じだ。特にマルディーニの復帰は多くのミラニスタを喜ばせた。引退試合で一部のサポーターがブーイングを浴びせたこともあったが、それでもマルディーニはいまだに100万人の熱狂的なファンを持っている。

 彼の入閣は「ミラニズム」の復活を象徴する。黄金時代のミランへの回帰。ミラニスタたちはまたチームへの情熱を取り戻した。ミラネッロに行けばそのことがすぐにわかる。ここ1年ですっかり寂しくなっていた練習場のゲート前には、今はまたファンの人だかりが見られるようになった。

 チームの経営も以前に比べてより慎重に、緻密になった。なにより新オーナーがミランにもたらした大きな贈り物は、ヨーロッパリーグ(EL)追放の取り消しだ。昨年夏の補強の無茶ぶりもあってUEFAのフィナンシャルフェアプレーにひっかかり、ミランはせっかく手に入れた2018-2019ヨーロッパリーグの出場権を取り上げられてしまった。

 しかし、新オーナーの巨大な資金のおかげで、無事ヨーロッパを舞台に戦えるようになった。もちろん、だからといってこの夏すぐに補強に大金をかけることは無理だが、ゴンサロ・イグアインの獲得など、可能な範囲内での最良の動きをしている。

 今シーズンのミランの目標は、少なくとも昨季の6位という以上の成績をあげることだ。昨年夏の補強は間違いだらけだったが、それでも、チーム再建に結びつく基礎力を作ったことには間違いない。そこに今回新たにゴールを量産できるイグアインや、将来チームの要となるだろうマッティア・カルダラが加入したことで、ミランの戦闘能力は確実にアップした。

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