香川真司、トルコ移籍は消滅。ドルトムントは戦力流出で揺れる胸中... (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 ドイツ人にとって、トルコリーグへ移籍するということは日本人が思っているよりも抵抗がある。トルコを選択するというのは、よほど現所属チームとソリが合わないか、金銭的に折り合いがつかず、しかも他の欧州主要リーグで獲得される見込みがない場合に限られると言っていい。

 したがって、トルコへの移籍は、基本的にはキャリアの終盤に差しかかっていることを意味する。フィオレンティーナからベシクタシュに移ったものの、その後、ブンデスに復帰、ヴォルフスブルク、シュツットガルトでプレーして輝きを取り戻し、ドイツ代表に返り咲いたマリオ・ゴメスなどは例外中の例外だ。29歳の香川がフェネルバフチェに行くというのは、いまひとつ想像しがたいものがあるのだ。

 とはいえ、ドルトムントが若返りを考える時期に入っていることは確かだ。

 この夏はソクラティス・パパスタソプーロスがアーセナルへ、アンドリー・ヤルモレンコがウェストハムへ、アンドレ・シュールレがフラムへ移籍。中堅、ベテランが去っていった。また、昨季チェルシーからレンタル移籍中だったミシー・バチュアイはバレンシアへと移籍した。

 一方で、ドルトムントがここまで獲得したのは8選手。ベルギー代表のMFアクセル・ヴィツェルを中国の天津権健から、19歳ながらモロッコ代表としてW杯に出場したDFアクラフ・ハキミをレアル・マドリードから獲得。マインツでレギュラーだったDFアブドゥ・ディアロ、争奪戦を経てフランクフルトから獲得したFWマリウス・ヴォルフあたりも即戦力となるだろうが、小粒感は否めない。

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