2018.07.15

W杯3位決定戦を見て思う「日本が
イングランドになっていた可能性」

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 日本は、このイングランド式の2トップを笑うことはできない。日本でも、つい何年か前まで(代表チームではジーコジャパンまで)、3バックといえばこのスタイルが一般的だったからだ。可能性の低い攻撃を繰り返し、そして勝手に決定力不足に悩んでいた。イングランド型の3バックに近く、ベルギー型ではなかった。現在でも、そのあたりの整理はついていない。「3バック」といっても種類はさまざま。にもかかわらず「3バック」とひと言で片付ける人が数多いる。

 それはさておき、だ。イングランドは頑張った。ベルギーの攻撃に耐えながら、理屈を越えた頑張りを披露。縦への勢いで押す”イケイケサッカー”で、徐々にチャンスの数を増やしていった。盛り上がらなくても不思議ではない3位決定戦は、思いのほか盛り上がった。

 頑張るサッカーを馬鹿にすることはできないが、理屈的には無理がある。ベルギーには、アザール(左)、デブライネ(中央)、ルカク(右)の3トップが左寄りに構える傾向があった。右サイドは、ルカクが中央寄りで構えるため、ムニエがひとりでカバーする状態だった。狙い目はこのサイドにあったが、イングランドにそこを突こうとする工夫はなく、2トップは真ん中で普通に構え、最終ラインも相手の3トップに対し5人で対応した。最後尾に守備者を2人も余らせて臨んだ。

 逆にベルギーは、2トップのイングランドに対して3バックで対応。5バックになりにくいサッカーを展開した。

 試合は82分、アザールのゴールで加点したベルギーが、2-0のスコアで勝利を飾った。イングランドはよく健闘し、惜しいシーンを作り出したが、その差は歴然だった。ベルギーと10回戦っても、2回ぐらいしか勝てなさそうな差を感じた。28年ぶりのベスト4入りを果たし、ある種の好感度は残したが、前途に明るい光がのぞいているかといえば疑問だ。