2018.07.15

ポスト「メッシ・ロナウド」はいたか。
W杯を彩った若きホープたち

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「メッシ・ロナウド時代」

 10年以上も続いた2人の時代は、「ロシアW杯で終わりを告げた」と言われる。そう断じるのは誇張に過ぎるが、ひとつの区切りになったのは確かだ。リオネル・メッシを擁したアルゼンチンは前回大会準優勝のリベンジを遂げるどころか、痛々しくロシアを去っている。クリスティアーノ・ロナウドが牽引した欧州王者ポルトガルも、ウルグアイに力負けした。

 では、新たに世界サッカーを引っ張る「新エース」の称号は、どの若者に与えられるべきか?

決勝でも活躍が期待されるフランスの若き10番、キリアン・ムバッペ ベスト16以上に進んだチームのなかで、ブラジルのガブリエル・ジェズス(21歳)、スペインのマルコ・アセンシオ(22歳)、ポルトガルのゴンサロ・ゲデス(21歳)、イングランドのラヒーム・スターリング(21歳)の4人は、気鋭の片鱗を見せたといえるだろうか。しかし、そもそも高かった下馬評以上のプレーを見せることはできなかった。むしろ先駆者たちに埋もれ、目立っていない。

 一方で、現場で見た試合で異彩を放っていたのは、ウルグアイのMFロドリゴ・ベタンクール(20歳)とメキシコのFWイルビング・ロサーノ(22歳)の2人だろうか。

 決勝トーナメント1回戦のポルトガル戦。ベタンクールはルーカス・トレイラと組んだ中盤で、球出しのうまさを見せ、決定的な仕事をしている。ボールを運んでスペースと時間を作ると、マークを外したエディンソン・カバーニのゴールをアシスト。流れるようなプレーに淀みがなかった。ボールプレーのセンスは申し分なく、すでにユベントスで出場時間を得ていることで、物怖じすることもない。飛び立つ直前の鷲の雛のような、初々しさと力強さを感じさせた。