ポスト「メッシ・ロナウド」はいたか。
W杯を彩った若きホープたち (3ページ目)
もっとも、若さも露呈した。
アルゼンチン戦とはうって変わって、準々決勝のウルグアイ戦ではもうひとつの顔を見せている。ラフなディフェンスを受けていたのはあったが、少しファウルをされただけで痛そうに倒れ込み、「パリ・サンジェルマンでネイマールに悪いことを教えられた。早くもスター気取りだ」と、辛辣な批判を受けている。不必要なイエローカードをもらった場面では、ディディエ・デシャン監督からもたしなめられた。
「キリアンは賢い子だ。聞く耳を持っている。メディアはスター扱いするが、まだ19歳で、いろいろ学んでいるところさ」
デシャンはそう説明しているが、ムバッペは、どこかで熱くなってしまい、自分を見失うところがまだ見られる。試合の流れから完全に消えてしまう時間も目立った。それでも、10代でこの存在感は、久々に「怪物」の称号が与えられるのではないか。
メッシ、ロナウドは特別な存在といえる。不世出のプレーヤーだろう。しかし、時代はうねりのなかで新たな怪物を生み出すはずだ。
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