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ベルギー無双とはならず。
豪華攻撃陣はやっぱり諸刃の剣だった (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 今大会ではマルティネス監督のもと、チームとして組織的に戦えており、常に面白いゲームを繰り広げるゆえんとなっていたが、最後の最後でタレント軍団ゆえの脆(もろ)さを露呈した。

 マルティネス監督は「非常に拮抗した試合だった。たったひとつの"ボールが死んだ状況(セットプレー)"が勝敗を分けたことは、いかに接戦だったかを物語っている」と話したが、それはフランス先制までの時間に限られるだろう。その後の試合内容は、両チームの間にある試合巧者としての力量差を強く感じさせるものだった。

 今となっては余談だが、決勝トーナメント1回戦の日本戦でも、日本が2-0でリードした段階で同様の焦りは見え始めていた。あと少し日本が粘れていれば、ベルギーが勝手に自滅した可能性は十分にあった。DFヤン・ヴェルトンゲンのラッキーなヘディングシュートが決まらなければ、試合はどうなっていただろうか。

 他国垂涎の豪華攻撃陣も諸刃の剣。2年前にも見た悪癖が再び顔をのぞかせ、ベルギーのワールドカップ制覇の夢ははかなく潰えた。

 残念だが、決勝が面白い試合になる保証はなくなった。

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