2018.07.06

ジーコらブラジルのレジェンドが日本を
高評価。「西野は現代的な指揮官」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「ああぁ!」

 後半アディショナルタイム4分、ベルギーのFWナセル・シャドリのシュートがゴールに突き刺さった瞬間、頭を抱えたのは日本人だけではなかった。多くのブラジル人もまた、日本の敗退を心から嘆いていた。なぜなら、ブラジル人はこの試合、日本を応援していたからだ。

その瞬間、頭を抱えたのは日本人だけではなかった photo by Sano Miki ブラジル代表は、数時間前に行なわれたメキシコ戦で勝利して、すでに準々決勝進出を決めていた。次に当たるのはこの試合の勝者、ベルギーか日本である。一方はFIFAランキング3位の優勝候補、もう一方はFIFAランキング60位。より与しやすい日本と対戦したいと思うのは、当たり前のことだろう。

 ただ、ブラジル人が日本を応援した理由は、決してそれだけではない。

 もともとブラジルと日本は縁が深い。ブラジルは世界で一番、日系人の多い国で、その数は160万人を超えるといわれている。ブラジル人なら誰もが日系二世、三世もしくは四世の知り合いがいるし、勤勉で礼儀正しい彼らは、ブラジルでも一目置かれる存在だ。近年では日本に行き来する日系人も増え、ブラジル人にとって日本は、距離は遠いが心理的には近い国のひとつなのだ。

 それ以上に、ブラジル人が日本側についた何よりも大きな理由は、「自分たちが日本のサッカーを育てた」という自負があるからだ。