完璧なミッション遂行。今大会ワーストゲームでフランスの優勝が見えた (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 つまりは、引き分け狙いである。フランスにしても、デンマークが2位通過で納得してくれるのなら、そこに異論があろうはずはない。互いの思惑が一致した試合は、かくして予定調和の結末へと向かって進んでいった。

 フランスのディディエ・デシャン監督は、試合終了を待たずしてスタンドから激しいブーイングを浴びた試合を振り返り、次のように語る。

「我々にとって、最も重要だったのは首位通過。引き分けで満足のデンマークがいい守備をしていたのだから、リスクを負う必要はなかった。勝とうとはしたが、最後15分間は"ニュートラル"な感じの試合になった」

 対してデンマークのハレイデ監督もまた、「世界で最も優れたカウンターアタック巧者であるフランスを相手に、攻撃に出てスペースを与えるなんてバカげている」と語り、当然の選択をしたまでであることを強調した。

堅実な守備を誇るフランスがグループCを首位通過堅実な守備を誇るフランスがグループCを首位通過 グループリーグの最後に、今大会ワーストゲームを演じた両チーム。勝ち点1を分け合い、ともにそれぞれの目標を達成する結果となったが、この凡戦からより大きなメリットを享受したのは、ここからが本当の勝負となるフランスのほうだろう。

 ワールドカップを制すためには、1カ月間で7試合を戦わなければならない。固定されたレギュラーメンバー11人だけで戦い抜くことは、ほとんど不可能だ。

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