長谷部誠、ピンピンで日本代表へ。バイエルンをはね返しドイツ杯優勝 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko 千葉格/アフロ●写真 photo by Chiba Itaru/AFLO

 リーグ戦第31節で退場処分を受け、その後の出場停止でリーグ戦のほうはその時点で終了した。ドイツ杯決勝でも起用されるかどうかはわからない状態だった。だが、長谷部不在のラスト3試合、フランクフルトは1勝2敗と振るわなかったこともあり、先発に返り咲いた。

 長谷部はチームを統率し、味方に声をかけ続けただけでなく、69分には、バイエルンのコレンティン・トリッソがヨシュア・キミッヒからパスを受けてシュート体勢に入ろうとするところをブロック。失点を直接的に防いだ。この日の勝利の立役者としてビルト紙が採点1(最高点)をつけるなど、ドイツメディアも高い評価を与えた。

 長谷部の今季を振り返ると、前半戦は長びく膝の故障に苦しんだ。週2試合のペースで常時出場するのは不可能と言っているかのような出場の仕方だった。現在34歳。サッカー選手としてはキャリアの終盤に入ったと言って差し支えない年齢だけに、限界が見え始めたのかと思われた。

 だが、年が明けて後半戦に入ると、一転してフル出場が続いた。しかも、ただ出場するだけでなく、試合中にボランチ、リベロとたびたびポジションを変更する柔軟性でチームを支えた。

 思えば4年前のブラジルW杯直前、長谷部の膝は不調を極め、キャンプ地のアメリカに入ってからも、メンバーから外れることが検討されたほどだった。今回のロシアには、少なくとも膝の不安はなく入れることになりそうだ。

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