原口が「代表への強い想い」を告白。
日本人2人がブンデス2部優勝へ

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 4月2日、ブンデスリーガ2部首位のフォルトゥナ・デュッセルドルフは17位ダルムシュタットに敗れ、4連勝はならなかった。これで2位ニュルンベルクとの勝ち点差は6となった。

 試合後、大きなため息とともに現れたのは原口元気だった。フル出場しながら、多くのチャンスをものにできなかった自分への苛立ちが口をついて出た。

日本代表からデュッセルドルフに合流、ダルムシュタット戦にフル出場した原口元気日本代表からデュッセルドルフに合流、ダルムシュタット戦にフル出場した原口元気「よくあるパターンにはまったというか、相手はもうやることはひとつで、チーム全体として粘ってやっていた。唯一、敗因を挙げるとしたら......完全に俺じゃないかなと思うけどね。たくさんシュートチャンスがあって、ひとりこじ開けられる選手がいたら、勝っていたわけで、その役割を任されているのに、決め切れなかったというのが間違いなく今日の敗因。なんのためにここに来たんだと、試合が終わって思いました」

「ここ」というのはフォルトゥナ・デュッセルドルフのことだ。1部昇格はもちろん、優勝請負人として1部ヘルタ・ベルリンから請われてやってきた原口。脳しんとうによる離脱期間を除いて、これまで出場した試合は6連勝と、その効果は絶大だった。原口にとってこの試合は、加入後初の黒星ということになるのだ。

 ダルムシュタットはボールをつなぐことをはなから諦め、コンパクトで守備的な陣形を取り、ボールを奪っては前線に蹴ってこぼれ球を拾うことを徹底させた。つなぎたいフォルトゥナはリズムを狂わされ、相手のペースで試合が進んだ。

 そんななか、確かに原口には何回かビッグチャンスがあった。35分、ドリブルで運んだ原口がペナルティエリアに入ったあたりで左足の強烈なシュートを放った。47分には右からのクロスを相手DFが処理に戸惑っているところで奪い返し、左足でシュート。これは右のポストに当たった。76分、ゴール真正面からのミドルシュートはGKに押さえられる。そして85分には左から右へと長い距離を斜めにドリブルしたが、シュートを打つタイミングを逃した。

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