メッシ、試合中ほぼ歩きながら決勝ゴール。
バルサ通の3人も驚く効率 (2ページ目)
小澤 一方のバルサのエルネスト・バルベルデ監督もウスマン・デンベレをスタメンに抜てきしました。これは地元メディアも予想していなかった采配でしたが、戦術的には成功したと思います。イニエスタを起点に、左サイド寄りでボールを保持しつつ、デンベレを右サイドに張らせておいて、早いタイミングで彼にボールを渡して時間とスペースを与えた中、マルコス・アロンソに対して1対1を仕掛けさせていました。
実際、キックオフから1分半はチェルシーに一度もボールに触れさせず、しっかりボール回しをしていましたし、開始3分のメッシのゴールシーンでも、デンベレが少し中に入ったタイミングで、メッシが右に開いてボールを受けたところから始まりました。あの場面でチェルシーに大きな守備のミスがあったとは思いませんが、左でためて素早く右に振るバルサの攻撃戦術によって一瞬メッシをフリーにしてしまい、彼に突破のドリブルを仕掛けられてしまいました。
さすがのバルベルデも、第1戦でコンテの采配にやられてしまったので、この試合ではデンベレを使って若干のテコ入れをして、結果的にその効果が先制ゴールの場面にも表れていたと思います。
倉敷 より戦術的だったのはバルセロナでしたね。攻撃では5バックと引いた4枚の中盤で固めたチェルシーに対し、右サイドを効果的に使えていました。守備に関してもセルジ・ロベルトがラテラル(サイドバック)、ボランチ、センターバックというマルチタスクの役割をこなし、どのポジションでも相手の脅威から仲間を助けようと目立たなくとも守備に貢献していました。
最大の脅威であるアザール、ウィリアンに対峙したサミュエル・ウムティティはセルジ・ロベルトの協力を得ながら光るプレーを見せましたし、また、先発が読みづらかったジルーに対してはジェラール・ピケがうまく対応しアザールに自由なスペースを与えさせませんでした。アウトサイドの脅威、ヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソに関してもジョルディ・アルバとデンベレで抑える約束ができていて、バルサは苦しめられてもゴールを許しませんでした。
ただ試合はメッシが第3子の誕生を祝うキャリア最速128秒のゴールでほぼ決まっていたように思いました。
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