現地コロンビア番記者がW杯を分析。「今回は日本に楽勝はできない」 (5ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by AP/AFLO

 コロンビアは伝統的に、短いパスを華麗につないで、格の違う司令塔を擁し、まぶしいほどの個人技を誇るチームとしてお馴染みだ。4年前のペケルマンは、これらのアイデンティティを盛り込みながらも、チームとして戦う術を見出していた。ただし、ブラジル大会後は、同じような戦いを披露できていない」

――4年前と比べてチーム力は落ちているということですか?

「4年前のコロンビアはとてもいい状態で本大会を迎えていた。16年ぶりの出場で、大会前にエースのファルカオを負傷で失うという痛手は負っていたものの、大きな自信を胸に大会に臨めていた。でも、今回はそういう前向きな雰囲気や自信が欠けている。

 ブラジル大会以来、隣国エクアドルとの2試合を除けば、コロンビアが相手を圧倒できたことは一度もない。南米予選で挙げたポイントもほとんどが下位チームからのもので、本大会出場を決めた南米勢上位との対戦に限ると、勝てたのはペルーにだけだ。しかも勝負に徹した、退屈なゲームの末に勝ったにすぎない。

 もちろん、コロンビアが比較的楽なグループに入ったことは否定できないし、実力からすれば、少なくとも決勝トーナメントには進出すべきだとは思う。コロンビアにとって最も大きな懸念材料は、対戦相手3チームではなくて、むしろ自分たちの力量と安定感が足りないことだ」

――日本戦はどんな展開を予想しますか?

「4年前のコロンビアは、レギュラー8人を入れ替えて試合に臨んで、それでも日本にとって強すぎる相手だったが、6月19日、サランスクでは違う展開になるだろう。ブラジル大会のコロンビアがあれだけ魅力的なサッカーをしていたのは、自信を持って戦っていたからで、今はそれが足りないし、日本も4年前とはまったく違うチームになっている。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る