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ギプス風装具をつけた香川真司
「1カ月遅かったらW杯は無理だった」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 3月8日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)ドルトムント対ザルツブルク戦の試合後、久々に公の場に現れた香川真司の姿には、少なからず驚かされた。

2月10日のハンブルガー戦で負傷後、チームを離脱している香川真司2月10日のハンブルガー戦で負傷後、チームを離脱している香川真司 南野拓実と言葉をかわすためにピッチに出てきた香川の左足首には、大がかりな固定装具が装着されていた。従来のギプスとはちょっと違う、最新のギプスといえばいいのだろうか。プラスチックと緩衝材でできた取り外し可能なタイプの装具で、がっちりと固定されている。それでも左足には完全に体重を乗せることができないのだろう。バランスをとるように慎重に歩いていた。

 香川が負傷したのは2月10日のハンブルガーSVとの試合中だった。攻撃時に、相手と接触をしたわけでもなく、突然、プレーを止めた。痛みに顔を歪めてはいたが、自力でピッチから出たこともあり、ドイツでもあまり大きく報道されることはなかった。その後、クラブからも特に発表はなく、約1カ月がすぎた。この間、香川の姿を見た者はほとんどいない。

 ケガの状態や復帰に関しての情報といえば、負傷直後のアジアチャンピオンズリーグの試合会場で、西野朗日本サッカー協会技術委員長が「2、3週間かかるらしい」と漏らしたことぐらい。地元記者たちもほとほと困り果てていた。

 だが、3月8日に本人が姿を見せると、翌日にはペーター・シュテーガー監督が香川について口を開いた。11日のフランクフルト戦を前にした定例会見の席上、「あと2、3週間かかるが、それよりも早く回復することを望んでいる。いくつかのケガを併発していた」と明かしたのだ。

 そして11日のフランクフルト戦の後、ついに香川がミックスゾーンに姿を現した。

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