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ホームを失った流浪のクラブ、
シャフタールの欧州CL8強入りなるか (2ページ目)

  • 井川洋一●文text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 それでも、タフなウクライナ人選手で後方を固め、南米産のひらめきに溢れるアタッカーをそろえるチームは、CLでマンチェスター・シティ、ナポリ、フェイエノールトと同居する厳しいグループを、シティに次ぐ2位で突破した。

 ローマとのラウンド16第1戦では、売り出し中の20歳のトルコ代表アタッカー、ジェンギズ・ウンデルに先制されたものの、アルゼンチン人FWファクンド・フェレイラとブラジル人MFフレッジのゴールで逆転勝利。ドネツクから約300km、キエフからおよそ500km離れた、ハリコフの代替本拠地に詰めかけたサポーターを喜ばせた。

『キャプテン翼』のドライブシュートのような圧巻の直接FKで逆転ゴールを決めたフレッジは、この冬の移籍市場でマンチェスター・シティ行きが噂されていた。左利きの小兵ボランチは、ペップ・グアルディオラ監督が5000万ポンド(約73億9300万円)でも欲しがっているとされている。

 フレッジは、母国の同じポジションのレジェンドであるドゥンガと同様にブラジル南部のインテルナシオナルでキャリアを歩み始め、2013年に20歳でシャフタールへ移籍。それまで長きにわたって中盤の要を務めていたフェルナンジーニョが約3400万ポンド(約50憶2700万円)でシティに買われ、その後釜と期待されて白羽の矢が立った。そして現在はシティで、ベテランの域に入ったフェルナンジーニョの跡を継ぐ者と目されている。

 ウクライナでメキメキと力をつけていったフレッジは2014年11月に21歳でセレソンにデビューし、翌年にチリで開催されたコパ・アメリカに出場。ここでドーピング検査に陽性反応が出て、一昨季と昨季に合計9カ月の出場停止処分を受けた。それでも昨年7月下旬に復帰すると、再びチームの主軸となり、先のローマ戦でCL初得点を記録したのだった。

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