中島翔哉、代表初選出へ「ドリブルの国」では相手チームからも大絶賛 (2ページ目)

  • 川森睦朗●文、写真 text & photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「(シーズン)最初より、やっぱりそういう(厳しくマークされる)のはあります。ただ、それは当然のこと。それを利用したり、味方もいますし、もっといいプレーがチームとしてできると思うので、そこは状況を見て、相手がケアしているんだったらもっと違うプレーを出すとか......今日はもっといいプレーができたと思うので、とても悔しいです」

 試合後の中島は反省しきりだった。

 ただ、厳しいマークにも慣れた後半は、再三ドリブル突破も決め、時折ポジションを中央に移してはパスを呼び込みチャンスを演出。56分には、GKが反応もできずに見送るしかないシュート(惜しくもポスト直撃)を放つなど、一定の存在感は発揮した。

 ポルトガルは、フィーゴをはじめとして、リカルド・クアレスマ(ベシクタシュ)、ナニ(ラツィオ)、ゴンサロ・グエデス(バレンシア)、そして今ではストライカー然としているが、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)など、単独でサイドの局面を打破できる名手が多く輩出してきた。そういった選手を日常的に見てきたので、サイドの選手を見るファンの目は肥えている。

 基本的にはアウェーチームの選手を褒めることなど皆無に近いポルトガルのファンだが、それでも相手がすばらしいプレーをしたときは、自然に感嘆の声(と同時に、自チームの選手のやられっぷりを嘆く溜息)があがることがある。

 選手単独での突破を「強引」「持ち過ぎ」「独善的」と忌避、揶揄(やゆ)する国もあれば、「積極的」と評価する国もある。ポルトガルは明らかに後者だ。突破が失敗ばかりでは批判されるのは当然だし、どちらが正しいかという議論はさておくとして、敢然とした姿勢で対峙する守備陣に切り込んでいく姿が好まれるポルトガルのサッカーと、中島のプレーは相性がよかったのだろう。

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