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「レアルに強い」柴崎岳。リーガでの
初対決はクラブW杯の再現ならず (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 だが、肝心のボールはなかなか回ってこなかった。

 交代直後こそ、相手にカットはされたものの縦パスを出すなど"らしさ"の見えるプレーはあった。しかし、時間の経過とともに柴崎は守備に奔走するようになり、徐々に姿を消していく。終盤、右サイドに回ると、ケガ明けとは思えないほど積極的に攻撃参加を見せるサイドバックのマルセロと対峙したが、その勢いあるプレーを止めることができないまま、試合終了の笛が鳴り響くのを聞いた。

 試合前の地元紙の予想では、アマト・エンディアイエが出場停止中であることから、柴崎の先発を予想する声も多かった。その根拠のひとつに、柴崎がカンプ・ノウでのバルセロナ戦に先発出場したことが挙げられている。柴崎は日本人で唯一、レアル・マドリードとバルセロナから得点を決めた選手であり、昨シーズンもテネリフェの選手として1部昇格プレーオフで得点を決めるなど、大一番で強さを発揮してきた実績があるからだ。

 だが蓋をあけてみれば、ここ数試合と同様にベンチスタートだった。ヘタフェは、柴崎がケガをしている間に、それまでベンチ要員だったアンヘル、さらにフランシスコ・ポルティージョが結果を出して定位置を獲得、チームを牽引する選手となっている。

 また、冬の移籍市場ではラス・パルマスからレミー、そして下部組織からは、アマト同様にスピードが売りの19 歳のコンゴ人メルベイユ・ヌドキートが加入した。シーズン開幕のとき以上に、前線の定位置争いは激しくなっている。このレアル・マドリード戦も、ボルダラス監督にとって、もはや背番号10番が絶対的な選手でなくなったことを示すスターティングメンバーだった。

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