ジダンも笑顔。「ダメかも」と言われたレアルがCLでパリSGを粉砕 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 3点目を決めたのはマルセロ。そのマルセロのコンディションが上がってきたこともチームにとって朗報だ。

 今シーズンのマルセロはここまで、相手チームにカウンターのきっかけを与えるボールロストが多かっただけでなく、攻撃ではクロスをまともに上げることさえできずにいた。だが、この日は左サイドを駆け上がり多くのチャンスを演出。中でも29分にクリスティアーノ・ロナウドへ送ったピッチを横断するパスは圧巻だった。

 また、手腕を疑問視されていたジダンの采配も的中した。先発メンバーには中盤の強化のためガレス・ベイルを外してイスコを入れた。また、後半の選手交代では、守備の要であるカゼミーロを下げ、ルーカス・バスケス、マルコ・アセンシオを投入。攻撃的なカードの切り方もこの試合では効果をあげていた。

 そして、途中出場のアセンシオが2アシストと結果を残した。次代のレアル・マドリードを牽引すると言われているスペイン代表のMFだが、クラブではこれまで"プランB"の位置づけだった。

 昨シーズン、レアルにはアルバロ・モラタ(現チェルシー)やハメス・ロドリゲス(現バイエルン)といった主力を脅(おびや)かすだけの力を持つサブメンバーがおり、「AチームもBチームもない」と、賞賛とやっかみの声が飛んでいた。だが今シーズン、その選手たちはチームを去り、代わりの即戦力が補強されることはなかった。

 レアル・マドリードはむしろこのところ、将来性を考えてスペインの若手の獲得に熱心だった。アセンシオもそのひとりだ。だが、国王杯でつまずいたことから、「Bチームは機能しない」と、選手層の薄さが批判されるようになっていた。

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