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スペイン3季目の鈴木大輔。
3億円オファーを断り2部で泥臭く戦う男

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Nakashima Daisuke/AFLO

リーガ2部オビエド戦に先発出場した鈴木大輔(ヒムナスティック・タラゴナリーガ2部オビエド戦に先発出場した鈴木大輔(ヒムナスティック・タラゴナ スペイン・カタルーニャ州のタラゴナ。州都バルセロナから電車やバスで約1時間、海沿いの街で、彼は3シーズン目を迎えていた。晩秋にもかかわらず、日中は半袖シャツで過ごせる。

 彼はホテルに隣接したカフェの席に着くと、店員に流暢なスペイン語で「cortado」と頼んだ。ミルク入りのエスプレッソだ。

――もし、柏レイソル時代の最後のシーズンの自分にタイムマシンで会いにいけたら、なんと声をかけるだろう?

 その問いかけに、彼は間髪入れずにこう答えている。

「飛べ、って。もう、それだけ」

 そう答えた表情には、わずかな憂いもなかった。

 鈴木大輔(27歳)は世界最高峰リーガエスパニョーラの2部、ヒムナスティック・タラゴナ(以下、ナスティック)で3シーズン目を戦っている。正味2年弱の在籍だが、監督は5人目。その挑戦の風景は目まぐるしく変わっている。

「1年目は勢いで、2年目は苦しんで、3年目でようやく全体を掌握でき始めたのかなぁと。タフなリーグだと思いますよ。練習で毎日100パーセントを出さないと、ポジションどころか、メンバー入りさえ危ういですから」

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