ネイマール軍団のゴール祭り。「パリSGが世界最強」説に説得力あり (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 川森睦朗●撮影 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかし、働き者のフランス人、アドリアン・ラビオがそんなチームメイトを叱咤するかのように流れを変える。前半6分、生え抜きの背番号25が中盤で相手ボールを奪って持ち上がると、左前方のネイマールにパス。すると、それまでほとんど歩くように動いていたスーパースターは、ボールを持った途端に別人になり、角度のないところから左足で見事にネットを揺らした。そしてここから、怒涛のゴールラッシュが始まる。

 前半22分、左サイドからネイマールがマルコ・ベラッティとのワンツーで抜け出し、1点目のデジャブのようなシュートであっさり逆転。その6分後には、ユリアン・ドラクスラーの浮き玉のパスをネイマールが頭で折り返し、カバーニがボレーで追加点を奪う。前半終了10分前には、ネイマールのFKがエリア内にカオスを生み、最後はフリーのキリアン・ムバッペ(フランス人に聞いた正しい発音は"エンバペ")が仕留めた。

 前半のうちに、パリの誇る煌(きら)びやかな3トップがそれぞれネットを揺らし、ホームスタジアムのパルク・デ・プランスはお祭り騒ぎ。ゴール裏のサポーターが会場の全員に立席を促し、皆で合唱しながらリズミカルに拍手を続ける。それを横目に、隅に陣取るセルティックファンだけが頭を抱えて静まり返っていた。

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