アジア人対決も韓国代表FWに軍配。香川真司の夢を砕いたトッテナム (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

「ハーフタイムに『もう少し勇敢になろう』とボスに言われた。そして僕らはしっかりとそれに応えたんだ」

 トッテナムのダニー・ローズがそう振り返ったように、15分の休憩を経て、アウェーチームは"健全な欲"を見せるようになる。ここで勝利を収めれば、1試合を残して首位通過が決まる。そうなれば、ラウンド16ではシードチームとなり、今後の展望が描きやすくなるのだ。

 後半が始まると、トッテナムは生え抜きの21歳のアンカー、ハリー・ウィンクスを中心にボールを回し、主導権を握る。すると49分には、こちらも21歳のデレ・アリからのパスを受けたハリー・ケイン――下部組織出身の24歳の大エースだ――がさっそく同点とする。

 こうなると、連敗続きのドルトムントは不安定なメンタルを露呈し始め、ここ最近、ほぼ毎試合のように見せてきた守備陣のイージーミスが目立つようになる。また、66分にベンチに下がった香川真司は、この日も効果的なプレーはごくわずか。同じ背番号23を背負う、トッテナムのクリスティアン・エリクセンのパフォーマンスには到底及ばなかった。

 さらに、両チームのアジア人同士を比較すれば、現状はそこにも大きな差が横たわる。76分に再びアリのアシストから逆転ゴールを決めたのは、韓国代表FWのソン・フンミン。ドルトムント戦を得意とする25歳のアタッカーは、ブンデスリーガ在籍時から数えて、対ドルトムント10試合で8得点目を記録した。

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