レアル・マドリードがおかしくなった。初昇格ジローナにまさかの敗北 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 王者が1部デビューの"ルーキー"クラブに屈したことは、スペイン国内では大きなニュースとして伝えられている。相手のジローナが、独立問題で揺れているカタルーニャのチームだったことも影響しているだろう。これによりカタルーニャの盟主であるバルサとの勝ち点差が、大きく開いたことも関係あるはずだ。

 スペイン国内のサッカー番組では、「不振の原因は?」というアンケートを取っていたが、監督であれ、選手であれ、ひとりに責任を背負わせるべきではないだろう。

 そもそも、レアルは昨シーズンから戦力的に向上していない。試合終盤に勝負を決定づけたFWアルバロ・モラタ(チェルシー)という切り札を失った。守備の安定に一役買っていたDFぺぺ(ガラタサライ)も放出。そして、ジローナ戦はFWガレス・ベイル、DFダニエル・カルバハル、GKケイロル・ナバスという主力3人を欠いていた。攻撃陣ではエースであるFWクリスティアーノ・ロナウドのコンディションもまだまだ上がっていない。

 星を落とすだけの理由はあったわけだが、それでも試合内容が悪すぎた。

 心配なのは、DFの要であるセルヒオ・ラモスだろう。

 昨シーズンから、セルヒオ・ラモスは守備の安定感を欠いている。肩の痛みが残っているともいわれるが、不用意な"ポカ"が増えた。ジローナ戦でも先制点の起点になったように、攻撃での貢献は相変わらず余りあるほどだが、守備では不用意なバックパスであわやというピンチを作り出すなど軽率なプレーが目立つ。また、裏を取られたときには打つ手がない。スピードのあるFWポルトゥのマークでは常に後手に回っていた。そして試合終盤にはストレスからか、相手選手を突き飛ばしている。

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