ネイマール、アウベス大暴れ。欧州の「国内番長」対決はPSGが完勝 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 ダニ・アウベスは結局、3得点すべてに絡む活躍を演じた。前半31分、エディソン・カバーニが挙げた2点目のシーンでは、アシストを演じたムバッペに切れ味鋭い縦パスを送り、ネイマールが挙げた3点目のシーンでも、60~70メートルをドリブルで駆け上がり、やはりアシスト役を演じたムバッペに、ラストパス同然のパスを送っている。

 バルサ時代より縦への推進力が増した気さえする。同様の印象はネイマールからも受ける。バルサ時代より逞しく映った。とりわけ縦への推進力が増している。

 バルサ時代にはメッシがいた。まず脚光を浴びるのはメッシで、ネイマールはルイス・スアレスにも劣る順列だった。毎年、クリスティアーノ・ロナウドとメッシで争うバロンドールには届かない選手、好敵手にはならない選手と見られていた。

 今回の移籍で、一気に彼らと同列に見られるようになってきた。バルサという大企業に漂うヒエラルキーにおとなしく従っていた選手が、その枠から解放され、ワンランクスケールアップした。バロンドール争いで前者2人に並びかけようとしている。気分よくノリノリでプレーしているようだった。

 とはいえ、PSGの3トップを形成する残る2人、実力者カバーニ、欧州期待の大器ムバッペに対して、ネイマールが圧倒的優位に立っているわけでもない。MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)、BBC(ベンゼマ、ベイル、C・ロナウド)のような3人セットの略語がほしくなるほど、それぞれは強力だ。

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