松井大輔のポーランド2部移籍。「先の見えない場所に身を置きたい」 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

 このままジュビロでプレーして、現役を引退したらクラブに残って仕事をして、知っている人たちに囲まれて生きていくという選択肢もあるかもしれない。でも、自分の将来をイメージした時に、そこに違和感があったんです。僕にはそういう生き方はできないなって。とはいえ、家族のためには日本にいた方がいいでしょうし、いろいろと悩んだのも事実です。名波監督をはじめ、諸先輩方にも相談しました。どのように今後を見据えたらいいのかを自分でよく考えて、最終的に、このまま日本にいたら自分の世界が狭くなってしまうんじゃないかと感じて、移籍を決断しました」

──名波監督に相談した時はどんなアドバイスをしてくれましたか?

「名波さんは僕がジュビロで引退した後のことも考えてくれて、それをサポートしてくれるという話をしてくれました。すごくありがたいと思ったし、自分のことをこれだけ考えてくれているんだって、めちゃくちゃうれしかったですね。

 でも、今まで自分の将来が見えたことなんて一度もないし、明日は何をしているか分からないという世界で生きてきた自分としては、先の見える生活があって、そのまま進めば大丈夫だという状況で生きていると、サッカーもこれくらいでいいんじゃないかって思ってしまうような気がして。やっぱり明日はどうなるか分からないような場所に身を置いたほうが、自分にはサッカーしかないと思って頑張れるんじゃないかなって。だから自分の進むべき道はどこにあるのかを、ヨーロッパに戻って探したいと思ってます」

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