セビージャにガッポリ稼がせた敏腕SDモンチが、新天地ローマに降臨 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「ディディエ・ドログバとサミュエル・エトーの能力を合わせ持ったFW」

 そう言われたババは、セビージャ在籍1年半の間にリーグ戦ではたった3得点に終わった。その後、レバンテ、ヘタフェに貸し出したが、いずれも1年で突き返されている。買い手がつかぬまま契約解除になって、マリティモに戻されることになった。

「セビージャはメディアの関心も高く、そのプレッシャーに潰された」

 当時の監督ミチェルがそう説明しているように、マリティモでは3000人程度の観客でプレーすることが多かったババは、環境に適応できなかった。

 選手を獲得するには能力やセンスだけでなく、人間的な順応性やキャラクターも見抜かなければならない。ただ、これは未知の部分が大きいと言える。不確定要素が強いのだ。

 言い換えれば、SDは失敗を恐れてはいけない。失敗も含め、それをどう解決するか、だろう。例えばセビージャが半年で放出することになった清武弘嗣だが、モンチは支払った額に近い移籍金をセレッソ大阪から取り戻している。交渉力のしたたかさがうかがえる。

「私はどの選手との契約も後悔していない」

 そう語るモンチは現在、スクデットを狙うローマの強化に取り組んでいる。

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