幸福に包まれたエイバル。レギュラー定着の乾貴士はバルサ戦でゴールを (2ページ目)

  • 山本孔一●文 photo by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 エイバルがそんな大団円を迎えていたまさにそのとき、ミックスゾーンではセグンダ降格で一番つらい思いをしているはずの選手たちに向けて、ヒホンの地元メディアのマイクが向けられていた。シーズン終盤、サッカーというフィルターを通して映し出される明と暗のコントラスト。喜びに満ち溢れる側に回ることができたならこれ以上幸せなことはない。だが、悲しみに押しつぶされる側に回った苦しさは、言葉では容易に伝えることができないものだ。

 幸福に包まれたエイバルにとっても悲しみはあった。それはここまでチームを牽引してきた選手の1人であるアドリアン・ゴンサレスが今季限りで退団することが正式に決まったことだ。

「いつまでも自分の心の中にエイバルはあり続ける」と話したマドリード出身のMFには交代時に大きな拍手が送られた。苦楽を共にしてきた選手がチームから去ることで生まれる虚脱感や寂しさを紛らわすような拍手がイプルアを包んだ。

 一方、乾にとってこの試合は悔いが残るものだった。左サイドを舞台に積極的にゴールを目指したが、無得点に終わった。

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