レアルが勝ちバルサが敗れたのはなぜか。CL準々決勝の明暗 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 バイエルンはドイツ国内において無敵を誇る。迫るのはドルトムントぐらいだ。1強の状態にあるブンデスリーガに対し、スペインリーグは2強+アトレティコだ。アトレティコも欧州クラブランキングでは、バイエルンに次いで4位につける。高い次元で拮抗した関係にあるスペインの3チームとバイエルン。注目すべきはR・マドリードというよりバイエルンの戦いぶりだった。これまで露呈させた悪い傾向から脱却できるか。

 しかし4年連続、バイエルンはスペイン勢相手に慌ててしまった。夢中になりすぎて我を忘れた。その結果、勝てる可能性の高い試合を落とした。昨季より戦力を上げていたのはバイエルン。横ばいを示すR・マドリードに対し、第1戦、第2戦とも、優位な戦いをしていながら、自ら好ましくない展開に持ち込んでしまった。

 第1戦では前半、先制点を挙げた。だがR・マドリードのトニ・クロース、ダニエル・カルバハルがイエローをもらい、やや浮き足だったかに見えたとき、アルトゥーロ・ビダルがPKを外してしまった。そして後半早々、同点に追いつかれ、ハビ・マルティネスの赤紙退場後に逆転弾を許した。第2戦でも、通算スコア3-3に追いつき、さあこれからという段になって、ビダルがレッドカードをかざされた。

 CL優勝3度を誇る名将カルロ・アンチェロッティが監督の座に就いていながら、試合巧者ぶりを発揮できなかった。"1強の悲劇"をさらけ出すことになった。

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