ゴール量産のネイマールと暴言騒動のメッシ。W杯南米予選の明暗 (5ページ目)

  • 三村高之●文・写真 text&photo by Mimura Takayuki

 アルゼンチンサッカー協会は、FIFAの旧アベランジェ/ブラッター体制ではガチガチの与党だった。グロンドーナ元アルゼンチン協会会長はナンバー2に君臨し、暴かれたFIFAスキャンダルでも中心的役割を果たしていた。このため、インファンティーノ新体制下では一転して叩かれる立場となり、これまでにも厳しすぎる通達を何度も受けている。今回の処分もアルゼンチンバッシングのひとつだと見る向きは多い。

 そして第14節、アルゼンチンは格下のボリビア相手に0-2の完敗。会場であるラパスの標高3600メートルという環境もさることながら、メッシが不在となったチームの動揺が大きく影響した。アルゼンチンはこれで順位を5位に下げた。

 実は今予選、メッシは負傷などで不参加が多く、14試合中6試合しかプレーしていない。そして、その6試合は5勝1敗の勝ち点15。しかしメッシ不在の8試合は、1勝4分け3敗の勝ち点7にすぎない。1試合平均で勝ち点1に満たないのだ。

 残り4試合のうち3試合はメッシがいない。データ通りだと、その3試合での勝ち点は3未満。メッシが戻る最終節は標高2800メートルのキトで行なわれるエクアドル戦なので、苦戦が予想される。つまり、勝ち点を25~26までしか伸ばせない可能性が高いのだ。

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