岡崎慎司も闘犬になりセビージャ撃破。「おとぎ話」に続編があった!

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「Let Slip The Dogs Of War(戦いの犬を解き放て→戦いの火ぶたを切れ)」

 選手入場時、こんな一文が書かれた巨大横断幕が現れると、今シーズン一番の大声援がレスター・シティの本拠地キング・パワー・スタジアムに鳴り響いた。

ベスト8進出を果たしてチームメイトと大喜びする岡崎慎司ベスト8進出を果たしてチームメイトと大喜びする岡崎慎司 冒頭のフレーズは、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』(製作年は1599年とされる)の一文。もちろんこれは、試合の2日前に正式監督となったクレイグ・シェイクスピア監督に捧げる言葉であり、セビージャとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦・第1レグを1-2で落としていたレスターイレブンの闘志に火をつけるためのエールでもあった。

 さらに、この横断幕には「シェイクスピア監督」と「獰猛(どうもう)な闘犬」のイラストも。約10ヵ月前に「奇跡のリーグ優勝」を成し遂げたレスター一行を奮い立たせる最高の演出で、サポーターはイレブンを送り出した。

 キックオフのホイッスルが鳴ると、レスターの選手たちは「闘犬」のようにアグレッシブに走り回った。ハイプレスを仕掛けるセビージャFCに屈することなく、プレッシングサッカーで対抗。2トップのFWジェイミー・バーディーと岡崎慎司を先頭に、チーム一丸となって積極的に敵とボールを追いかけた。

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