祝ブンデス新記録。そもそも、なぜ長谷部誠は常に試合に出ているのか (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 今季もフランクフルトの中心的な役割を担っていることで評価を得ていたが、今回の記録更新により、普段はなかなかスポットライトの当たらない"安定感"という、長谷部が絶えず取り組んできた部分が改めて大きく取り上げられることになった。

「キャラクターとしてこの国に合っているなというのは、正直、自分にもあります。ドイツ人だけじゃなくて、いろいろな国から選手が集まってきて、今もチームに18カ国の選手がいますが、そういう環境が自分に合っているなと。自分がドイツで長くやれているからといって、違う国に行ってもうまくできるかといったら、そう簡単なことではないと思う」

 周囲に気を配ることができる長谷部が、チームに馴染みやすく、かつ重宝されるというのは事実だろう。ドイツには全体的に組織と規律を重んじる傾向があり、日本人選手は力を発揮しやすい部分がある。

 その一方で、長谷部の特徴が、日本以上にドイツでより際立つという面も少なくない。例えばブンデスには、守備において、目の前の相手に対しては抜群の強さを誇るが、自分の担当エリアの外はまったくケアできないという選手も少なからずいる。全体を見渡して危険を察知できる長谷部は、まさにチームの穴を埋める存在として能力を発揮してきた。だからこそこれだけ長い期間、コンスタントにプレーすることができたのだ。

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