シャルケ内田篤人、本格復帰への45分間。「ちょっと痛かったけどね」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 そして内田は出場するやいなや、ヘディングで勝ち越し点をアシスト。手応えと喜びは、ドイツ語でのインタビューにきっちりと答えたことからも伝わってきた。シャルケの公式サイトなどで目にした方も多いだろうが、笑顔と前向きな受け答えが印象的だった。

 とはいえ、本人が感じるのは満足だけではない。

「アシストできたのはよかったし、お試しでも45分間使ってもらえたのはよかったよね。でも、今日のプレーを俺だと思われるとちょっと......」

 現在のシャルケには、負傷した2014~15シーズン以前に一緒にプレーした選手がほとんどおらず、味方とのコンビネーションは確立されていない。そのため、中盤に入った内田がドリブルでゴール前にカットインする場面は多く見られたが、コンビネーションで崩す場面は見当たらなかった。ボールをキープする中盤の選手を内田が追い越したり、内田が持ち上がったところで誰かがニアのスペースに入ってくるというシーンもなかった。

「俺はコンビネーションで崩していきたいタイプだからね。そういうのは理解し合っていかないといけないよね」と、内田は噛み締めるように言う。出ただけで満足、監督に見てもらえたから満足というのではなく、どうしたら自分の長所を最大限に発揮し勝利につなげていけるか、ということに発想はシフトしていた。

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