強気のライプツィヒvs弱気のバイエルン。首位争い2強激突の行方は? (4ページ目)

  • 鈴木智貴●文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

 さて、一方のバイエルンだが、ライプツィヒに比べると不穏な空気が漂っている。

 先月、マッツ・フンメルス、カール・ハインツ・ルンメニゲ社長がそれぞれ「ライプツィヒもタイトル争いの候補だ。ここまでの彼らの試合を見て確信した」「他のチームがうまくできていないことを、彼らは完璧にこなしている」と冷静に話したように、少し前の彼らには、まだそれほどの緊迫感はなかった。

 しかし、いつまでも食らいついてくる新参者の存在感はここ数週間で急激に膨れ上がり、数日前に行なわれた最下位ダルムシュタットとの一戦で、彼らの不安は一層大きくなった。ドゥグラス・コスタの目の覚めるようなミドルシュートが決まったおかげで勝利を手にし、暫定首位のライプツィヒを1日で追い抜いてトップの座を取り戻したものの、ダルムシュタット戦後に口をついて出るのは反省の言葉ばかりだった。

「かなり低い位置に最終ラインを設定し、アグレッシブな守備をしてくる相手と戦うのは簡単ではないし、どうしてもパスの精度が落ちてしまう。それに今日の試合では、守備におけるファーストプレッシャーが良くないシーンも何度かあったし、自分の首を絞めてしまっていた。このようなレベルの試合をしていては、ライプツィヒとは戦えない」(フンメルス)

「(勝利することができて)ホッとしている。相手は最下位だったのに、僕たちにはスピーディーなプレーも、正確なパスもなかった。集中力を欠いている時間帯すらあった。こんなのは、バイエルンの姿ではない。ライプツィヒ戦に向けても全然だめだ。彼らとの戦いは、まったく互角なものになるだろう」(マヌエル・ノイアー)

 21日の試合には、ライプツィヒを全面的にバックアップするレッドブル社の創業者ディートリッヒ・マテシッツ氏が観戦に訪れる予定であり、同氏が来た試合は過去4戦4勝、得点8、失点1という素晴らしい結果になっている。心技体に加えジンクスも味方につけたライプツィヒの臨戦態勢は、バイエルンとは対照的に盤石の状態だ。

 ブンデスリーガファンへ天が与えた最高のクリスマスプレゼント。果たして、その行方やいかに。

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