ヘーレンフェーン小林祐希「オランダで愛されている理由」を自ら語る (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • ルート・フースト●写真 photo by Ruud Voest

―― オランダでのデビューマッチ後、地元テレビ局からインタビューを求められ、「誰か通訳をやってよ!」と叫んでいましたが、結局は自分ひとりで答えていましたよね。

小林 今ならもっと、まともなトークができますよ。あのときは、まだ何もわからなかったけど、「祐希は馴染もうとしているんだろうなぁ」という姿勢を見せたかった。しゃべるというのは大事なことで、「祐希も一緒に考えてくれているんだな」と思ってさえもらえれば、内容が合っているか間違っているか、そんなのどうでもいいんです。俺がしゃべろうとしたこと、それが大事なんです。

 チームメイトとも、日本だったら絶対にしなかったことを意識的にしてふざけている。笑われてオッケー。それは、彼らと馴染もうとしてやっているというより、人として関わっていくうえで大事。「あいつは面白みがない」と思われるより、「祐希はいじったら何か出てくる。あいつ、面白えー!」と思われたほうが得じゃないですか。

 俺はたぶん、サポーターからも愛されている。毎試合、「ユウキ・コバヤシ、オオオオオーッ!」って、俺の歌だけずっと歌っているんです。愛を感じます。俺は心からヘーレンフェーンを愛し、ヘーレンフェーンのために戦っていて、チームメイトと楽しくやっている姿勢がサポーターにも伝わっていて、それが俺に返ってきている。サッカー以外のところが大事なんだよ。みんな、人間なんだからさ。

 俺、こういうキャラクターだし、(日本では)敵が多いほうだから、好きな人と嫌いな人、半分半分だと思う。だけど、俺のことを嫌いなら、1回しゃべろうよ。俺としゃべってみたら、絶対好きになるから。俺は逃げないし。クラブハウスで待っています。

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