スピードが速くなった吉田麻也。ELで長友佑都との日本人対決を制す (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 サウサンプトンの決勝点となるオウンゴールを記録した長友については、「誰にでも起こり得る。不運としか言いようがない」と気遣っていた。たしかに、味方選手に当たってクロスボールのコースが変わり、長友の足に当たるという不運なものだった。

 むしろ長友は、試合を通して隙のない守備で最終ラインを助けていた。

 サウサンプトンの前線は、セルビア代表MFのドゥシャン・タディッチや、イングランドU-21代表MFのネイサン・レドモンドがポジションを流動的に変えながら攻撃を仕掛ける。試合の2日前、インテルのフランク・デ・ブール監督が解任されるという難しい状況のなか、日本代表DFは粘着度の高いディフェンスで彼らの突破を許さなかった。

 そんな長友との対決がELで実現したことについて、吉田は、「うれしい。同じヨーロッパで切磋琢磨しているし、代表に来れば仲間だし。佑都とは長くやっているので、非常に深い友情関係もある。お互いにがんばる。僕もがんばって欲しいなと思うし、向こうもそう思っているだろうし」としみじみと語った。

 ただ、同時にこうも言う。

「やっぱり生き残るには勝つしかない。そこの勝負では負けられない。まあ、それは向こうも経験してわかっていると思う」

 インテルを下したサウサンプトンは勝ち点3を上積みし、グループリーグ突破に向けてひとつ前進した。

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