シャルケを見守る内田篤人と憧れる南野拓実。ELでの「複雑な胸中」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

シャルケ戦は65分から出場。先発の座を確保したい南野拓実シャルケ戦は65分から出場。先発の座を確保したい南野拓実 ヨーロッパリーグ(EL)グループI、シャルケ対ザルツブルクの一戦は、3-1でシャルケが完勝した。ブンデスリーガで5連敗中と苦しんでいるシャルケにとって貴重な白星と言いたいところだが、スタンドから観戦した内田篤人の意見は違った。

「大会が違うからね。別に関係ない。サポーターの見る目も優しくないからね、このクラブ(シャルケ)は。新しい選手は慣れないといけない」

 シャルケはドイツでバイエルン、ドルトムントに次ぐ人気クラブ。近年はチャンピオンズリーグに届かずEL出場に甘んじているが、本来はリーグ戦の順位もその2チームに次ぐのは当然、あるいは凌駕すべきだというのがそのスタンスだ。サポーターの目は肥えているし、要求も厳しいということを、内田の言葉は指している。ここでプレーするなら、そういったプレッシャーにも耐えていかなければならない。

 右膝の負傷でシーズンをまたいで長期離脱中ではあるが、在籍7シーズン目となるベテランの目はシビアだ。だが、自重気味なユーモアも忘れないのが内田らしい。

「状況は大変そうですね。まあ、他人事ですが」

 笑っていいのかどうか、取材エリアに微妙な空気が流れた。もちろん他人事というのは本心ではない。スタンドから観戦していた感想を、次のように語る。

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